ウォーターポンプハウジングを入れていく。
新品のインペラは羽が真っすぐになっているので,そのままだとハウジング内に入らない。
これは古い部品の写真だが,こんな感じで羽は全て同じ向きに曲がって入っている。
ドライブシャフトの回転方向に合わせた向きになっているので,反対向きに曲げて組むと簡単に壊れてしまうだろう。
ハウジングを下げながらドライブシャフトを矢印の方向(上から見て時計回り)に回転させると,インペラの羽は全て適切な向きになってハウジング内に収まった。
思ったより簡単に入れられた。
ハウジングのボルトには「ロックタイト572」が塗られていたようなので,ボルトに付いた古いカスをワイヤーブラシで取る。
これも液状ガスケットを塗る前に済ませておく。
ボルトに「ロックタイト572」を塗る。
何も塗らないで組み付けすると,数年後にはネジ部まで海水が浸入して錆が発生し,二度と外せなくなる事があるらしい。
ボルトを組み付けする。
このボルトの締め付けを行うことで液状ガスケットが密着するので,ここまでの作業はできるだけスピーディに行う。
液状ガスケットが乾いてからボルトを締め付けしたのでは遅い。特に暑い季節は硬化が早くなると思うので注意だ。
インペラ部分,完成!
シフトロッドを手で上下させると,非常にスムーズに動く。
プロペラシャフトが取り付けされていると,動かないかもしれない。
ドライブシャフトは時計方向に回そうとしても,手で回すことはできなかった。分解前も回せなかったので大丈夫だと思う。
そもそもドライブシャフトの径が細いので,手で回すには握りにくいため回しにくい。
インペラ組み付け前はスムーズに回ったので,インペラの抵抗が増えたためだと思う。
ロワーユニットを取り付けする前に,冷却水をエンジンに送るパイプを耐水ペーパーなどで磨いておく。
汚れがひどいままだと,ゴムパイプとの当たりが悪くなってしまう。
このように,指でパイプを押さえると磨きやすい。
ちなみにこの写真は,磨き終わった状態のパイプ。
ドライブシャフトの先端(スプライン部分)にモリブデングリスを塗る。
ロワーユニットを船外機本体に連結する。
ドライブシャフトの先端はエンジン(クランクシャフト)に入るのだと思うが,奥は暗くて全く分からない。手探りでの作業になる。
ドライブシャフトの先端が内部の壁に当たると,グリスに塩分が付着してしまうので気を使う。
合わせる場所は3箇所だ。
- ドライブシャフトの先端をクランクシャフトに。
- インペラから出ているゴムパイプを金属パイプに。
- シフトロッド(下側)を上側シフトロッドと連結する部分に。
一番難しいのは,ドライブシャフトだった。先が見えないため。
インペラのゴムパイプに金属パイプが刺さるときにゴムを壊さないように,ゴムパイプの内側に薄くグリスを塗った。
あと少しだ。
これ位の位置で,3箇所がしっかり合っているか最終確認。
オッケー!
手で押しただけで,ほとんどすき間がない状態まで入った。
ギヤケース内にゴミなどが入らないようにビニールで覆う。
本当ならプロペラシャフト回りを組んでから合体した方がいいと思うが,今回はプロペラ部のオイルシール交換と同時進行作業で,部品入荷の兼ね合いで,この手順となった。
この手順でも,特に不便は感じなかった。
ロワーユニットの取り付けボルトを事前に清掃しておき,ロックタイト572を塗る。
3箇所を均等に締め付け。
シフトロッドがこのような配置になっているか確認する。
シフトレバーがN(ニュートラル)になっている事を確認して,シフトロッドの連結部(10mmボルト)を締め付けする。
プロペラシャフトハウジングを付ける。
ここらへんの作業は,「プロペラシャフトのオイルシール交換」を参照して頂きたい。
シフトロッドを見ながらシフトレバーを動かして,スムーズにロッドが動いているか確認する。
正常に動作していれば,シフトロッド部の穴(サービスホール)に黒いフタを付ける。