とりあえず,ゴムパイプを外してみる。引っぱるだけで取れそうだ。
ムリに引っぱると,ちぎれるかもしれないので注意。
取れました。
ゴムパイプに突起があって,穴に引っかかっていただけのようだ。
突起もゴムなので,引っぱれば曲がって外れてくる。
ゴムパイプは,こんな感じで金属パイプに刺さっていたようだ。
今回は注文していないのでそのまま再使用するが,ゴム部品なので本来であれば交換した方がいいだろう。
とりあえず,元に戻しておこう。
インペラ部分を分解していこう。
私はロワーユニットを膝で抑えながらボルトを緩めていった。工夫して,ロワーユニットを固定した方が作業はスムーズだろう。
2馬力船外機のボルトは ほとんどが10mmで,あまりキツくないので緩めやすい。
でも,このボルトは「ロックタイト」というシール剤が塗られているので,この体勢だと少し緩めにくい。
ボルトが外れた。
ステーのようなものでボルト2本がペアになって取れる。
こんな感じで取れる。
このまま置いておこう。
インペラの入っている黒いケースを外す。
子供と遊びながら分解していたので,日が暮れてきた・・・。船外機の整備も重要だが,子供と遊ぶのも親として重要な仕事なのだ。
ここからは,スポットライトで照らしながらの作業だ。
取れにくいときは,プラスチックハンマーなどでコンコンと軽く叩いて浮かす。
浮いてきたぞ・・・。
すき間にマイナスドライバーを突っ込んでこじるのは部品を傷めやすいので,必要最小限にしよう。
今回はドライバーは使用せず,手で外した。
インペラが残って,ケースだけが取れてきた。
ドライブシャフトが汚れていると,汚れによってシャフト径が大きくなっているのでケースやインペラが外れにくいだろう。
状況に応じてシャフトを軽くペーパー掛けしたり,CRC-666でも塗って外すといいだろう。
インペラが入っていたケースだ。
内側の「インサイトカートリッジ」はハウジングから簡単に外すことができる。
Oリングは再使用不可部品なので交換だ。
インペラは,こんな感じだ。
新品の羽は真っすぐだったが,古い羽は曲がったままだ。
上写真の「インサートカートリッジ」に閉じ込められたままの部品なので,羽にクセが付くのは当然だろう。
羽が変形している向きから,このドライブシャフトは上から見ると,時計回りに回転するという事が分かる。
インペラを外す。
シャフトが汚れていてインペラが外れない場合は,シャフト清掃・ペーパー掛け・CRC-666の給油などを行う。
私はマイナスドライバーで軽くこじったら外れてきた。
インペラを外す途中で,何か落下してきた!
これはインペラが空転しないようにする「ピン」だ。
ドライブシャフトには穴が開いていて・・・。
こんな感じで,ピンが刺さっている。
非常に小さい部品なので,無くさないように注意だ。
インペラの下にある,金属のプレート(アウタープレート)を外す。
手で簡単に取れる。
プレートに向きはあるのだが,中心からずれた場所に位置決めのピンがあるので,分からなくなる事はないだろう。
アウタープレートが外れた。 プレートにはインペラが接触して擦れた跡がある。 傷がひどい場合は交換が必要だ。
子供と川遊びをした時に浅瀬を航行したとき,プロペラが川底の砂に接触した事がある。 このような場合は砂を吸い上げてインペラ周辺を傷めてしまうのだろう。
傷がひどい場合は海水の圧送能力が低下すると思うので,交換した方がいい。
この傷も砂によるものなのかもしれないが, 極端にひどい傷は無いので,今回は再使用する事にした。
プレートにはピンに合わせる穴が2つあり,取り付け向きが分かるようになっている。
ここまでに外した部品。
インペラにも裏表があるが,分からなくなることは無いだろう。
ここから先の汚れが特にひどい。
ここはインペラに入る海水が通る場所だ。釣行後のフラッシングを怠ると,ここら辺が特に影響を受けそうだ。
私は毎回フラッシングしているが,子供に手が掛かる時期にメンテナンスが十分にできなかった事がある。
フラッシングも短い時間だと効果が少ない。できれば時間を掛けてじっくり行いたい。
まあ,良く考えれば5年間ノーメンテにしては汚れは少ない方なのかもしれない・・・。
シフトロッドの一番下には,ギヤオイルが漏れないようにOリングが入っている。 分解時の交換は必須だ。
汚れがひどいプレートも外して,下も見てみよう。
今回分解した部品で,このプレートが一番固かった。
このプレートの下は紙ガスケットが入っていて,液体ガスケットも塗られていた。
大きいマイナスドライバーでテコの原理をやってみたが,全く取れる気配が無い。恐らく,マイナスドライバーでは無理だろう。
かなり大きいタイヤレバーを使って,このようにテコの原理で外した。
上の写真は,レバーを掛けた場所の説明用。
実際は,ロワーユニットを傷めないように,こんな感じでウエスを敷いた。
このようにしてタイヤレバーの右端を金属ハンマーで叩いて,プレートを浮かした。
各部を破損させないように注意だ。このプレートは,かなり固い。
辺りがだいぶ暗くなってきた・・・。急ごう。
プレートとロワーユニットの間にすき間ができたら,このようにマイナス(大)で軽くこじって外す。
各部を傷めないように注意。
プレートが上がってきた。
シフトロッドも一緒に上がってきた。ロッドはOリングで,プレートに引っかかっているだけだ。
プレートは,かなり上まで上がっている。
シフトロッドの下端は,こんな感じで「へ」の字に曲がっている。
この湾曲部で,ドグクラッチのピンを押しているようだ。
今回の作業で一番驚いたのは,このオイルシールだ。
オイルシールより下はギヤオイル室。インペラ部とギヤオイル室を隔離するためのものだが,インペラへ行く海水の影響で,強烈に汚れていた。
このオイルシールに海水が付着する構造だとは思っていなかったので,あまり痛んでいないだろうと予想していたが,大間違いであった。分解して良かった。
ここまで交換する予定で,部品を注文していた。
ガスケットのカスが大量に付着しているので,綺麗に清掃して組もう。
ここのオイルシールを交換するには,ドライブシャフトを外す必要がある。