ピニオンギヤ部のベアリングをピックで外す

ピニオンギヤを支えていたベアリングを外す。

1ヶ所だけ持ち上げるとベアリングが斜めになって出てこない。

均一に上がるように,少しずつ持ち上げる。

ピニオンギヤのベアリング

取れました。

ベアリングはパーツクリーナーで清掃して,オイルを給油する。

リール本体の分解状況

本体は,こんな感じになる。

ガンメタのレベルワインダー

次は,レベルワインダーの分解だ。

レベルワインダーのギヤを指で動かす

まずは写真のギヤを手で回して,回転の重さを確認しておく。

写真撮影の都合上親指だけで回しているが,親指と人差し指でギヤを持って回すと良い。

私は今回分解したときに,組み付けしたらこのギヤの回転が重くなってしまった。原因と対処は後述する。

事前に回転重さを確認しておけば,組み付けミスを発見しやすい。

完全に組んでから不具合に気づくと,また最初から分解しなくてはいけなくなる。

レベルワインダーのネジ

クラッチレバー側から見たところ。

でっかいマイナスのネジが見える。

まずは,これを回そう。

ネジをマイナスドライバーで回す

若干斜めになってしまうが,クラッチレバーの上からドライバーを通したら,簡単に回った。

外したネジ(ナット)

ネジが外れた。

「レベルワインド受ケ」という部品だ。

ちなみに部品価格は200円だ。

ナット内のワッシャーをつまようじで取る

※ 2011.9.7訂正

「レベルワインド受ケ」の中に座金がくっついていた。

つまようじで取ってみる。

ナットと2枚の座金

ここには2枚の座金が入っていた。

この座金は後述する「クロスギヤピン」の突き出し量を調整するもので,リール製造時の製品バラツキを考慮して入れられているようで,同じ機種でも入っている枚数が違うらしい。

ナットが付いていた部分の,本体側

「レベルワインド受ケ」が付いていたところ。

上写真の座金は,こちら側にくっついている事もあるだろう。無くさないように入念にチェックしよう。

中に何かあるぞ。

レベルワインダーのギヤを指で動かす

レベルワインダーのギヤを手で前後に回すと・・・。

中からピンが出てきた

中の物が出てきた。

油が切れていたりすると,こうやっても出てこないかもしれない。

「クロスギヤピン」が取れた

出てきたものはこれだ。「クロスギヤピン」という名前だ。

分解図を見てみると,この部品と「レベルワインド受ケ」の間に3枚の座金が書かれているが,私のリールには2枚しか入っていなかった。

分解図の下のほうに,こんな事が書いてある。「調整座金類に関しましては、必ずしも分解図中の表現と一致しない場合がございますので、ご了承下さい。(商品により使用している場合とそうでない場合がございます。)」

要するに,製品のバラツキを調整するための座金なのではないかと思う。

レベルワインド軸のEリング

続いて「レベルワインド軸」を外していく。

リール本体の左側に,3つのEリングがあるので,矢印のEリングを外す。

このEリングは,絶対に変形させてはいけない!

後述するが,このリングが変形するとレベルワインダーの動きが重くなってしまう。

Eリングが外れた

外れた。

薄いマイナスドライバーなどを使って慎重に作業すれば,外す時に変形させる事は少ないだろう。

問題は,組む時だ。

茶色の座金

Eリングが外れた。

茶色い座金があるので外す。

黒い樹脂部品

座金が外れた。

黒い樹脂製部品があるので外す。

一応向きがあるようだが,何とかなりそうだ。

黒い樹脂部品が外れた

樹脂製部品が外れた。

「クロスギヤ受けB」という部品だ。1個100円。

向きが分からなくなる気がするが,裏側を見れば楽勝だ。

黒い樹脂部品の裏側

裏側は,こんな感じだ。

半月状の溝に注目。この溝に,「レベルワインドパイプ」という部品がはまるようになっている。

したがって,向きは分かりやすい。

この部品はパイプの反対側にも付いているが,右と左では品番が違うようだ。左右入れ替えて組み付けないように気をつける。

これは,パーミングカップ側の「クロスギヤ受け」だ。

本体側に付いている「レベルワインドパイプ」

リール側を見ると,こうなっている。

上写真の半月状の溝がはまる部品が分かるだろう。

「レベルワインドパイプ」だ。

レベルワインドパイプを,違う角度から見る

パイプを横から見ると,こんな感じだ。

この時点で既に固定されておらず,グラグラ状態になっている。

かろうじてギヤ側にあるプラスチック部品の溝にはまっているので落ちないだけだ。

ここでパイプを外してしまってもいいだろうが,写真の都合上,このままにしておく。

「クロスギヤ軸」をギヤごと引き抜く

ギヤごと「クロスギヤ軸」を抜いていく。引っぱるだけだ。

途中でパイプが落下する場合があると思うので,確認しながら外す。

抜けてきた「クロスギヤ軸」

こんな感じで外れる。

「レベルワインドパイプ」がはまるプラスチックの部品も一緒に抜くようにすると良い。

このプラスチック部品は,ギヤ側の「クロスギヤ受けA」だ。

パーミング・カップ側の「クロスギヤ受けB」と混ざらないように管理する。

次に,この軸とギヤを分離する。

「クロスギヤ軸」に付いているギヤの表面

ギヤの表面を見てみると,十字の溝がある。

現在はまっている溝は,軸とギヤを連結するための「抜けない溝」だ。

ギヤと軸のかみ合いを90°ずらす

軸を持ち上げて90度ずらすと,「抜ける溝」になるので・・・・。

ギヤと軸を分離できた

こんな感じで分離できる。

「クロスギヤ軸」は溝にゴミが溜まりやすいので,ここまで分解すると掃除が楽だ。

「クロスギヤ」と「クロスギヤ受け」を一緒にしておくと,組み付けの時に分かりやすい。