これはインテーク・サイレンサだ。矢印部にOリングが付いており,合わせ面からエアーを吸わないようになっている。
特に汚れていなければ清掃しなくてもいいと思うが,この部品には2本のホースが付いており,わずかではあるがエンジンオイルの一部がインテーク・サイレンサ内に入ってくる。
また写真に写っているように,Oリング部内側の穴には金属製の網がある。
キャブ内に異物が入らないようにしているのだが,網や内部が汚れている場合は,パーツクリーナーで清掃してもいいんじゃないかと思う。
ちなみに,私は内部を清掃した事は無い。特に汚れてはいないと思う。
Oリングは紙ガスケットと比べると長く使えると思うが,再使用不可部品となっているため交換しよう。
ちなみに,ここの合わせ面から多少のエアーを吸ったとしても,キャブの手前側(入り口側)であるためエンジンの調子が極端に悪くなる事は少ないと思う。
対して,キャブとエンジンの間からエアーを吸った場合は高確率でエンジン不調となる。
ここからは,エンジンへの取り付け作業だ。
自分のやりやすいようにすれば良いと思うが,私はこんな感じで組み付けしている。
まずは,インテーク・サイレンサとキャブを,ボルトで連結する。
こんな感じになる。
次に,紙ガスケットをボルトに通す。
インシュレーターを通す。
この部品には向きがあるので注意だ。
紙ガスケットを通す。
この部品も向きがあるので注意だ。
この状態でエンジンに付けると,部品の落下も少ない気がする。矢印のホースを取り付けながら合体させよう。
ちなみにこのホースは,エンジン内部で発生した未燃焼ガス(ブローバイ・ガス)をインテーク・サイレンサに導くホースだ。
ここからキャブを通ってエンジンに入り,ガスを燃焼させる。
ブローバイ・ガスには若干のエンジンオイルが含まれるため,インテーク・サイレンサやキャブに少量のエンジンオイルが付着することがある。
よっしゃ・・・
バッチリだ。
このボルトは細くて長いので,締めすぎると簡単に折れてしまう。気をつけよう。
どうしても人の心理として,ネジは緩すぎるより締めすぎる事の方が多い。
下のホースを付ける。
これはブローバイ・ガスに含まれるエンジンオイルを,エンジンに戻すためのホースのようだ。
私の船外機はオイルの付着がほとんど見られない。
エンジンが古くなって各部が摩耗したりエンジンオイルの管理が悪かったりすると,ブローバイガスの量が増えて,ここらへんがオイルでベタベタになるんじゃないかと思う。
キャブの取り付け,完了!
アクセルワイヤーを取り付けする。
ワイヤーの外す前の場所にボルトで締め付けた後が残っていたので,同じ場所に戻すのは簡単だった。
アクセルがスムーズに動くことを確認。
アクセル全開で戻らなくなったりしたらシャレにならない。
次に,アクセルを全開にした後・・・
アクセルワイヤーで動く,矢印のストッパー部が・・・
このように,パイロットスクリューの取り付け部に接触し,スロットルバルブが全開になることを確認する。
全開にしても接触しないという事はスロットルバルブが全開にならないという事であり,本来の力が出なくなってしまう。
パイロットスクリューとアイドリングの調整
この調整は,スターターや燃料タンク等を復元してから最後に実施する。
- パイロットスクリューを,全閉から2.5回転程度緩める(全閉時に強く締め過ぎないこと)。
- エンジンを完全暖機する。
- スロットルストップスクリューを回して,アイドリングを調整する。
- アクセルを数回吹かして落ち着かせる。
- アイドリングが規定回転数で安定していればOK。
パイロット系統とスロー系統(パイロットジェットなど)が正常であれば,こんな感じで調整すればアイドリングは安定するだろう。
調整するときは,エンジンが完全に温まってチョークを引いていない状態で行わないと,きちんとした調整ができない。
また,回転計が無ければアイドリングを規定回転数に合わせられないので,私は感覚で実施した。
本来なら,プロにお任せした方がいいだろう。