注意! このコンテンツは1級小型船舶免許の学科試験に合格したばかりの,中途半端な知識の管理人が製作しています!管理人独自のやり方等も数多く含まれていると思いますので,勉強がうまくいかなかったり,正しくない知識を身に付けてしまう恐れがありますので,参考程度に留めてください。また,このコンテンツの知識だけでは海図の知識として不十分であるため,必ず専門書やスクールで勉強してください!

オリジナル海図150号

このページは「コンパス図と緯度・経度目盛り2」から話が続いています。初めてご覧になる方は「海図の問題を覚えよう!メインメニュー」から順を追ってご覧頂くと,このページから見るより分かりやすいと思います。

それでは,いよいよ1級小型船舶免許の試験で実際に出題されるような問題をやってみようと思います。

実際の試験問題を解くためには今まで紹介した知識をフルに活用する必要があり,1問解くだけでも結構な時間が掛かります。慎重に,粘り強く頑張りましょう。

- 実践問題 問1-01 -

次の航海計画を海図上に記入し、全航程を求め、下のうちから選べ。ただし、風や海潮流の影響はないものとする。(試験用海図第150号使用)

出航点 A:
牛島北方海域緑埼灯台を磁針方位190°、3海里に見る地点から磁針路330°で航行

第一変針点 B:
大島北端の黄岬灯台を左舷正横に見る地点で磁針路280°に変針

第二変針点 C:
大島北方の白埼灯台を左舷正横に見る地点で変針

到着点 D:
白埼灯台南西方海域30°-04.4’N、135°-00.6'E

  • (1) 約25.0海里
  • (2) 約30.0海里
  • (3) 約35.2海里
  • (4) 約40.2海里

---以下は解答・解説になります。---

オリジナル海図で灯台の位置を確認

※ 当サイトで使用している海図は日々更新を続けており印刷した海図と解説で使用している海図では異なる部分がある場合がありますが,重要な位置(灯台やコンパス図等)は同じですので,問題を解く上では支障ありません。

まずは,問題文にある灯台をチェックしていきます。海図の右下周辺にありますね。

(※最新版の海図は緑埼灯台の場所が「牛島」に変更になっておりますが,旧バージョンの海図でも大丈夫です)

スタート地点は,「緑埼灯台を磁針方位190°,3海里に見る地点」です。記入していきましょう。

コンパス図の磁針方位目盛り

 「緑埼灯台を磁針方位190°」ですから,コンパス図は内側の「磁針方位目盛り」を使用します。

何度も言いますが,外側の「真方位目盛り」は当分使用しません(笑)。

コンパス図に三角定規を合わせる

まずは定規(青)を,このように当てます。

  • 「内側」の目盛りを使って
  • 190°と
  • 10°で

正確に合わせます。

三角定規をスライド

 定規(赤)でサポートしながら,緑埼灯台を目指して定規(青)をスライドしていきます。

スライド距離を伸ばす工夫

 1回で移動できないときは定規(赤)をスライドさせて・・・。

三角定規をスライド(2)

定規(青)をずらしていきます。

緑埼灯台へ到着しました! 

灯台へ向けて腺を引く

 問題文が「3海里に見る地点」ですので,線は短めで大丈夫ですね。

磁針方位190°の線を引いた

 こんな感じになります。

コンパスを緯度目盛りに合わせる

コンパスを使って緯度目盛りの「3分(3海里)」を取ります。

大きい目盛り3つ分ですね。

※ 上下にある「経度目盛り」は使ってはいけません!

灯台から3海里の線を引く

 緑埼灯台から3海里の円を描くようにして,線を交差させます。

この2つの線の交点が,出発点になりますね。

出発点を丸で囲む

 交点を○で囲んで,引いた線の方位や距離を書いておきます。

このような情報は無くても問題を解く上では大丈夫ですが,書いておくと作業ミスでハマった時に,間違いに気付きやすいでしょう。

コンパス図に三角定規を合わせる

次に,出発点から330°の線を引いていきます。

コンパス図の内側の目盛りを使って,定規(青)を330°と150°に合わせます。

定規をコンパス図に合わせるときは,

  • 出発点へ移動しやすくて
  • 変針作業がしやすい

向きで置くようにします。

この線を引いた後で「黄岬灯台を左舷正横に見る地点で変針」という作業が入る事を意識して,定規をセットしましょう。

出発点から330°の線を引く

定規(赤)でサポートしながら定規(青)を移動していき,出発点から330°の線を引きます。

「黄岬灯台」を少し過ぎるところまで引けばOKですね。

このときに「黄岬灯台を左舷正横に見る地点で変針」というのを意識するのが重要で,線を引き終わっても定規(青)を押さえたままにしておきます。

線を引いたら・・・。

変針点を記入するためのスライド

 このようにして,少しバックさせて・・・。

三角定規を進路に対して直角に合わせる

定規(赤)を,このように当てて・・・。

灯台を左舷正横に見る線を引く

 「黄岬灯台」の☆マーク中心を貫通させながら線を引く。

第一変針点の記入完了

これで「黄岬を左舷正横に見る地点で変針」の,変針点を求める事ができました。

330°の線に数値も書いておきます。

コンパス図に三角定規を合わせる(280°)

 次は「磁針路280°」の線を引いていきます。

今度は「白埼灯台を左舷正横に見る地点」で変針となりますので,それを考慮しながら定規を設置します。

磁針方位の目盛りで280°と100°に合わせて・・・。

進路の線を引くために定規をスライドさせる

 定規(赤)でサポートしながら定規(青)を移動。

磁針路280°の線を引く

 先ほどの変針点から280°の線を引いていきます。

白埼灯台を少し過ぎる位でOK。

変針点を求めるため,まだ定規(青)を押さえたままにしておきます。

変針点を記入するためのスライド

 定規(赤)でサポートしながら,定規(青)を少しずらす。

進路に対して直角に定規を当てる

 定規(赤)の位置を変えて直角を作り・・・。

灯台を左舷正横に見る線を引く

 白埼灯台の☆マーク中心から線を引く。

第2変針点の記入完了

交点を○で囲って方位の数値をメモって完了!

緯度目盛りを確認する

最後の問題文がこれ。

到着点 D : 白埼灯台南西方海域30°-04.4’N、135°-00.6'E

まずは,緯度からいきましょう。

「30°-04.4’N」は,ここになりますね。自己流ですが私はいつもこのように,海図に矢印を記入します。

経度目盛りを確認する

次に経度です。

「135°-00.6'E」は,ここになりますね。

矢印を書いておきます。

緯度に対して定規を水平に合わせる

 まずは緯度からいきます。

定規(赤)を経度の線に合わせ,定規(青)で直角を作り,「30°-04.4’N」に合わせます。

三角定規をスライドさせる

 定規の大きさが足りないときは,定規(青)を右にスライドさせる作業が必要になります。

大きい定規だと,この作業は不要ですね。

緯度の線を引く

 経度の位置「135°-00.6'E」を意識しながら,緯度の線を引き・・・。

経度の線を引く

「135°-00.6'E」の線を引きます。

到着点(緯度と経度の交点)を記入完了

この2本の線の交点が,到着点になりますね。

コンパス図の磁針方位目盛り,「180°」の少し下の辺りです。