ここからハンドルの組み付け作業だ。
このハンドルは,既に分解・清掃済み。
船外機にハンドルを付ける前に,可動部の部品を清掃・給油する。
この部分はリールのドラグと同様に,ハンドルの上下によって摩擦する部分だ。
長期ノーメンテだった場合は,清掃・給油すればハンドルの動きがスムーズになると思う。
本当は外れるはずの黒い樹脂部品がハンドルに残っているが,これは組み付けしたものとして話を進めていく。
まずは,この周辺をパーツクリーナーで清掃する。
金属部分の表面は,やや腐食が見られた。
黒い樹脂部品は組んだものとして,1枚目のワッシャーに「ヤマハ・グリースA」を給油する。
頻繁に分解する場所ではないと思うので,厚めに給油した。
擦れた後が多い面(写真に写っている面)を上にしてハンドルに付ける。
1枚目ワッシャーは,このワッシャーと点接触しており,この部分のグリスが切れていた事もあって擦れた後が多かった。
給油したら,組み付け。
3枚目のワッシャー。
擦れが多い面は上写真のワッシャーと擦れた跡なので,向き合うように組む。
給油したら,組み付け。
なので,ここまで組んだらハンドルを船外機に取り付ける。
船外機は,こんな状態になっている。
私はこの金属部分に「グリースA」を給油した。
正しいかどうかは分らない。
ここから先の作業は1人でやると少し大変(ハンドルを落としてしまったりしやすい)なので,できれば2人いた方がいいと思う。
ちなみに私は嫁が仕事中で息子しか助っ人がおらず,手伝ってもらうと別な意味で大変な事になるため,1人で作業を行いながら写真撮影までやった(笑)。
とりあえず,ハンドルに付いているエンジン停止スイッチの配線を通しながら,ハンドルを付けてみた。
「ハンドルのストッパー」が「船外機のストッパー」の上に乗っかるようにハンドルを入れる。
ここから先は「知恵の輪」みたいな,「パズル」みたいな作業になるので,段取りを入念に検討する。
私の作業は自己流なのでもっといい方法があると思うが,私の実力以上の事は書けないので,わたしの行った作業要領で紹介していく。
また,少々悪戦苦闘しながら作業したため,適切な写真が少し足りない。なるべく説明でフォローしていく。
今回の作業で一番面倒なのは,ハンドルの根元部分。
ワイヤーを通したりピンの位置に合わせてワッシャーを組んだり,狭い場所でボルトを通さなければならない。
特に配線とワイヤーの取り回しを間違えると重大なトラブルを招くため,慎重に作業したい。
まずはハンドル根元部分の構造を解析すると,こんな感じになっている。
この中に,1つだけ特殊な形状をしている部品がある。
この部品の形状と,穴・溝の役割を理解する事が最も重要だと思う。
拡大して見てみよう。
こんな感じになる。
「ボルト穴」がワッシャーの中心に開いている訳ではないのでボルト穴をハンドルに合わせると必然的に「ピン穴」「ピン溝」の位置も決まると思うが,スロットルケーブルは,「スロットルケーブル溝」にはまって位置が固定され,エンジン停止スイッチの配線は,長穴でフリーな状態になる。
スロットルケーブルを配線用の長穴に通してしまうとハンドル上下時に配線と干渉し,トラブルの原因になると思う。
これは分解したときの写真だが,エンジン側の3つの部品を取るためにはボルトをエンジン側に押し込んで作業した。
だから組み付け時は一旦エンジン部にボルトを置いて,3つの部品を取り付けながらボルトを通す作戦にした。
まずは3つの部品を清掃して,「ヤマハ グリースA」を塗る。
これは私の段取りが悪かった写真。
最終的にはこのように,ワッシャーに配線とケーブルを通すのだが,この段階で通すと部品は付けにくいし,ボルトも通しにくい。
- ワッシャーにボルトを通しながら,3つの部品を船外機本体に付ける
- ワッシャーにケーブルを通す
- ケーブルからワイヤーをある程度引っ張り出し,ハンドルに通す。
- ハンドルの回転する部分に,通したケーブルの端部を引っ掛ける。
- エンジン停止スイッチの配線をワッシャーに通す
- ハンドルを船外機に取り付ける
3つの部品とボルトが付いたら,こんな状態にもっていく。
ワイヤーをケーブルから完全に抜いてしまうとヤバくなってしまうが,半分位引き出しても問題は無い。
配線とワイヤーの位置関係が重要なので,常に取り回しを意識して通す。
作業もちょっぴり地獄だが,写真を撮りながらの作業はもっと地獄だ・・・。
ハンドルを手に持ってワイヤーを通した方が,通しやすいと思う。
ハンドルの穴が小さい割にはワイヤー端部は頭がデカく,しかも配線が穴をしっかりとディフェンスしている・・・。
ここの「知恵の輪」は,難易度が高い。
私は配線を無理に曲げないように注意しながら一旦ずらして・・・・・
通りました!
ワイヤーを通すのよりも,写真撮影の方が大変(笑)。