製作開始日:2013年3月17日
このページは「裏技偏」であるため,まずは無難な交換方法「スロットルワイヤー交換」を閲覧してからご覧いただきたい。
上記リンクの方法だとスロットルケーブル交換時はハンドルを外す必要があったのだが,ここではハンドルを外さないでケーブルを交換する方法を紹介していく。
ただし,この方法は新品のスロットルケーブルを壊してしまうリスクがあると思うので,ハンドルを外した方が確実だと思う。
ちなみに私は友人のネプチューン2馬力船外機をこの方法で交換し,部品も壊れなかった。
「スロットルワイヤー交換」を見たときに疑問に思ったかもしれないが,「ハンドル付け根の部分が狭くてワイヤーが通しにくい」という話のあたりで,ワイヤーもケーブルも矢印の方向に抜いていくように書いていた。
そしてワイヤーの頭がデカくてハンドルの穴を通過しにくいため,ハンドルを外す手順になっていた。
この作戦を変更して・・・。
ワイヤーの頭がデカくて通りにくいなら,ワイヤーを右方向に,ケーブルを左方向にどんどん引っ張っていって,分離しながら外したらいいんじゃないか?
こんな感じで別々の部品にすれば,外すのも入れるのも楽勝なのでは?という話だ。
この方法だと,確かにハンドルを外さないで超楽勝に外すことができる。ハンドルに通すときも,ワイヤーの頭とは反対の細い部分から入れるので,通すのも難しくはなかった。
ぶっちゃけ友人のケーブルを外したときは,これがスタンダードな交換方法だと思っていた。
ただし,たった1つだけ問題があったのだ・・・。
ハンドルを外して交換する方法のコンテンツに,「ケーブルとワイヤーは分離してはいけない」と何回か書いた。
その理由は,ワイヤーの端部にある。
拡大して見てみよう。
ワイヤー端部はキャブレターにネジで止められる。
ワイヤーは糸状の金属を編みこんで製作されるため,端部に「ほつれ」が発生しやすい。
だから,端部は「ほつれ」が発生しないように固められている。
したがって端部だけ柔軟性がなく,曲がりにくい。
オチは分ったかもしれないが,このケーブルからワイヤーを引っ張りだしてみよう。
引っ張りだしていく・・・。
抵抗はほとんどなく,スムーズに出てくる。
ここまで出したところで,急に抵抗が大きくなった。
ワイヤーの端部は柔軟性が無いため,ケーブルのカーブ部分を曲がりにくいのだ。
カーブを曲がりにくいとは言っても少し強めに引っ張れば,ケーブルとワイヤーの分離は簡単だ。
ちなみに「ネプチューン2馬力船外機」の純正部品はカーブ部が無いため,引っ張れば普通に分離することができる。
取るときはさほど問題が無いのだが,入れるときが問題だ。
ワイヤーの短部がケーブルのカーブを曲がるために何度もゴンゴンと押し込む動作をしなければならない。
このときにワイヤーの端部が痛む恐れがあり,最悪の場合はワイヤーを通す事が不可能になったり端部に「ほつれ」が発生する事が予想される。
また,持っている部分は柔軟な部分なので,やや押しにくい。
私が作業したときは,このままゴンゴンやっても入らなかったため,友人の発想で「ワイヤーの端部を少し「く」の字に曲げて入れたところ,数回の「ゴンゴン」で入れる事ができた。そしてワイヤーの端部も痛まなかった。
ただし,この曲げる角度が絶妙でないと,入れるのは困難だと思う。
今回の作業の経験から,ヤマハ純正部品は「ケーブルとワイヤーを分離する」という事が想定されていない部品だと思う。 したがって入れるのに失敗して部品が壊れた場合は,あたりまえなのだ。
以上の点を踏まえて,「裏技偏」で作業すると,こんな手順になる。
- 船外機についているケーブルとワイヤーの一体部品を,ワイヤーをハンドル側に,ケーブルを船外機側に引っ張って分離して外す
- 新品部品を,ケーブルとワイヤーに分離する(ケーブルのカーブ部をワイヤー端部が通過するとき,抵抗を感じる)(この作業をやった地点で,後戻りできなくなります!)
- ワイヤー端部をハンドル側から通す
- スロットルのリンク部分に,ワイヤーの頭を引っ掛ける
- ワイヤーの端部を,少しだけ「く」の字に曲げる(曲げる位置や角度が絶妙でないと,入らない恐れあり)
- ワイヤーの端部に,ケーブルを通していく
「ネプチューン2馬力船外機」の純正部品だと,ワイヤー端部を曲げなくても問題なく作業できるのではないかと思う。この問題は,ヤマハ純正部品の話だ。
※2013年5月18日追記
このコンテンツを見て,ヤズ太郎さんがスロットルワイヤーを交換しました。ワイヤーがうまく入らずに修正作業をしています。ヤズ太郎さんの作業を見てみる
ハンドルを外すのも面倒な話があるし,自己流で作業してケーブルをワイヤーを分離してから入れられなくなって当サイトにたどり着く人もいるかもしれないので紹介したが,私はハンドルを外す方法をお勧めする。ただし,ハンドルを外す方法の場合も面倒な話が無い訳ではないので,作業に自信が無い人は絶対に無理をせず,プロに任せましょう。