注意! このコンテンツは1級小型船舶免許の学科試験に合格したばかりの,中途半端な知識の管理人が製作しています!管理人独自のやり方等も数多く含まれていると思いますので,勉強がうまくいかなかったり,正しくない知識を身に付けてしまう恐れがありますので,参考程度に留めてください。また,このコンテンツの知識だけでは海図の知識として不十分であるため,必ず専門書やスクールで勉強してください!
製作開始日:2016年10月24日
偏差・時差・コンパス誤差が理解できたら、1級の試験に出てくるような実践問題について考えていきましょう。まずは、私が実際に受験したときに出題された問題に挑戦してみます。
実践問題 問3-01
G船は、秋島の北方海域をコンパス針路297°(自差3°E)で航行中、レーダーにより川口市南方の松埼灯台を方位087°、距離7海里に測定した。G船の船位(緯度、経度)は次のうちどれか。ただし、レーダーは相対方位指示とする。(試験用海図W200使用)
- (1) 40°-22.4'N、140°-06.4'E
- (2) 40°-22.5'N、140°-05.9'E
- (3) 40°-22.6'N、140°-05.5'E
- (4) 40°-22.8'N、140°-05.0'E
まずは「秋島北方海域」の確認から。
秋島の北なので、だいたいこのあたりでしょうかね。現在自船がいる場所はこのあたりという事なので、だいたいの場所を確認しておきます。
そして「川口市南方の松埼灯台」は、こちらになりますね。
しっかりと確認しておきます。
問題を見てみると、自船はコンパス進路297°で航行しているとの事ですが、「時差3°E」と書かれていますので、まずは時差を修正します。
時差の修正は
- Wのときは引き算
- Eのときは足し算
で修正ができますので、今回は「3°E」ですから、現在のコンパス進路に3°を足し算すれば磁針方位に修正できます。
それでは時差修正を計算してみます。
コンパス進路297°+3°=300°
本当は、自船は磁針方位300°の方向に航行している、という事になりますね。
自船は現在、300°の方向へ航行しています。
そして問題文によると、レーダーの相対方位で87°の方向に松埼灯台が見えています。
相対方位とは「自分の向いている方位から○○度」という意味なので、自船は現在300°の方向を向いていて、レーダーに表示されている松埼灯台は相対方位で(現在向いている方角から)87°になりますから、
300°+87°=387°
海図上で考えると、自船から387°の方向に松埼灯台がある、という事になります。
387°とはいっても、コンパス図は360°までしかありません。
自船は現在300°の方角を向いているのですが、
自船の向きから87°の方角は、360°で1周して0°に戻るため、
387°-360°=27°
磁針方位で27°の向きに松埼灯台が見えている、という事になります。
自船から27°の方角に松埼灯台が見えているという事が分かったので、海図に記入していきましょう。
まずはコンパス図に三角定規を合わせていきます。
- 磁針方位の目盛(内側)を使用すること
- 27°と180°足した207°の目盛で合わせること
定規(赤)でサポートしながら、定規(青)を松埼灯台の☆マークに合わせます。
松埼灯台を28°に見る線を記入します。
自船は、この線上のどこかにいる、という事になります。
デバイダーもしくはコンパスの足を、7海里の長さに合わせます。
松埼灯台から、7海里の距離を取ります。
この2本線の交点が松埼灯台を磁針方位で28°、7海里に見る地点となり、自船のいる位置になります。
松埼灯台を28°、7海里に見る地点から、緯度目盛と経度目盛に重なるように、水平線と垂直線を引いていきます。
水平線と垂直線の引き方が分からない人は、「コンパス図と緯度・経度目盛り (2)」を参照してください。
水平線が緯度目盛と重なっている部分で、緯度を読み取ります。
私の記入では、ぴったり「40°-24.6'N」になりました。
垂直線と、経度目盛の交点を読んでいきます。
私の記入では、だいたい「140°-05.5'E」になりました。
なので、答えは3番ですね!