注意! このコンテンツは1級小型船舶免許の学科試験に合格したばかりの,中途半端な知識の管理人が製作しています!管理人独自のやり方等も数多く含まれていると思いますので,勉強がうまくいかなかったり,正しくない知識を身に付けてしまう恐れがありますので,参考程度に留めてください。また,このコンテンツの知識だけでは海図の知識として不十分であるため,必ず専門書やスクールで勉強してください!

全行程の記入が完了した海図

このページは「デバイダーを使った航海ルートの距離計測」から話が続いています。初めてご覧になる方は「海図の問題を覚えよう!メインメニュー」からご覧下さい。

全航程の距離が分かったら,航行速度や所要時間の計算をやってみます。

速度と距離と時間の関係

例えば車でドライブする時の事を考えると,「目的地までの距離」「車の速度」「かかる時間」という3つの要素には一定の関係があり,ドライブの計画を立てるときの目安として,次の3パターンの計算がありますね。

  • パターン1: 「時速」と「距離」から「時間」を求める
  • パターン2: 「距離」と「時間」から「時速」を求める
  • パターン3: 「時速」と「時間」から「距離」を求める

例えば,こんな問題があったとします。

  1. 時速60km/hで180km離れた目的地へ行くには,何時間掛かりますか。
  2. 280km離れた場所へ7時間掛けて行くとなると,時速は何km/hで走れば良いですか。
  3. 時速50km/hで10時間走行すると,何km移動できますか。

このようなキリが良い数値であれば,車を運転する人であれば簡単に計算できますよね。答えは

  1. 3時間
  2. 40km/h
  3. 500km

ですよね。

キリが良い計算であれば感覚的に解くことができますが,細かい計算になってくると混乱してしまう時がありますね。

なので,計算方法を忘れないために「みはじの計算」というものがあります。小学校高学年で習ったらしいです。私は忘れてしまいましたが(笑)。

左図のように書いて,求めたい場所のひらがなを手で隠すと,式が出てきます。

  • 道のり = 速さ × 時間
  • 速さ = 道のり ÷ 時間
  • 時間 = 道のり ÷ 速さ

この関係を,しっかり覚えておきましょう。

航海計画での時間・距離・速さの単位

海図上での計算は,「時間」の単位は日常生活と同じものを使いますが,「距離」と「速度」は同じものではありません。

距離は「海里」,速度は「ノット」という単位になります。

ちなみに1海里(マイル)は1,852mになりますが,今はまだ覚えなくても大丈夫です。

海里の後に書いている(マイル)というのも今後は省略して,「海里」で統一して書いていきますね。

「1時間」に「1海里」進んだときの速度が「1ノット」になります。

まずは,これをしっかりと覚えましょう。

全行程は15海里(マイル)

1級小型船舶免許の試験に出てくる海図の問題の場合は,距離(道のり)は海図に記入してデバイダーで測定しますので,数値が分かってるパターンが非常に多いです。

正確な数値かどうかは別として(笑),前のページで私が記入した線では,全航程は「14.8海里(マイル)」でした。

小数点以下の数値があると計算が面倒になるので,まずは整数だけでやってみましょう。

全航程は,15海里(マイル)だったとして計算してみます。

全行程を記入した海図

- みはじの計算 問題01 -

デバイダーで全航程を測定したら,15海里でした。出発点から到着点までに掛かった時間が3時間とすると,速度は何ノットだったでしょうか。

みはじの計算式

解答

「道のり」が15海里,「時間」が3時間,「速さ」が分からないので,「みはじの計算」を使って求めると,答えは5ノットになります。

数値のキリがいいので簡単ですね。

では,次の問題です。

全行程を記入した海図

- みはじの計算 問題02 -

デバイダーで全航程を測定したら,15海里でした。午前10時に出発して30ノットで航行したとすると,到着時刻は何時何分になるでしょうか。

航海時間のの計算方法

解答

「みはじの計算」によって,掛かる時間は「0.5時間」だという事が分かります。

今回はキリがいい数値なので大丈夫ですが,小数点以下を「時間」で考えると分かりにくい事が多くありますので,「分」に直しましょう。

「時間」を「分」に直すときは,「時間×60」でOKです。

0.5 × 60 = 30分

10時に出発して掛かる時間が30分ですから,到着時間は10時30分ですね!

航海中のプレジャーボート

だんだん難しくなりますよ~!

- みはじの計算 問題03 -

出発点を出航し,速度10ノットで36海里を航行して目的地に到着した。11時38分に出発したとすると,到着時刻は何時何分頃になるか。

到着時刻の計算方法

この問題,ヤバいっすね!日常生活ではなかなか出番が無い計算です。でも小型1級船舶免許ではこれ位の計算が出てきますので,避けては通れません・・・。順を追って,ゆっくり考えていきましょう!

まずは「みはじの計算」で,36海里を10ノットで航行したときにどれ位の時間が掛かるのか計算してみます。

まずは「距離÷速度」で,

36 ÷ 10 = 3.6時間 ←(かかる時間)

「3時間」は問題無いのですが残りの「0.6時間」が意味不明なので,「0.6時間」を「分」に直します。「時間」を「分」に直すときは,「時間×60」です!

0.6 × 60 = 36分

合計で 3時間36分掛かる,という事ですね!

時間の足し算

出発時間が11時38分なので,この時間の3時間36分後を求めれば,それが答えになりますね。では,計算してみましょう! 

まずは普通に足し算して,14時74分。

60分で1時間だから,74分から60分取って,「1時間」に繰り上げる。

答えは,15時14分ですね!

海図でチャートワーク中の子供

次は最後の問題です!

- みはじの計算 問題04 -

出発点を出航し,速度12ノットで54海里を航行して目的地に到着した。到着時間が14時18分だったとすると,出発時刻は何時何分頃になるか。

時間の引き算

 最後です。頑張って計算してみましょう!

まずは所要時間を考えます。「54海里」を「12ノット」で移動していますから,掛かる時間は

54 ÷ 12 = 4.5時間

0.5時間を分に直すので,

0.5 × 60 = 30分

4時間30分が,移動に掛かる時間ですね。

到着時間が14時18分ですから,その4時間30分前が出発時間になるので,今回は引き算になります。

繰り下がりの引き算をする時の注意点は,「1時間」を繰り下げたときに,分では「60」になるという事です。

出発時間は,9時48分ですね!

時間の計算は,慣れるまではミスをしやすいと思います。頑張って覚えてくださいね!