注意! このコンテンツは1級小型船舶免許の学科試験に合格したばかりの,中途半端な知識の管理人が製作しています!管理人独自のやり方等も数多く含まれていると思いますので,勉強がうまくいかなかったり,正しくない知識を身に付けてしまう恐れがありますので,参考程度に留めてください。また,このコンテンツの知識だけでは海図の知識として不十分であるため,必ず専門書やスクールで勉強してください!
製作開始日:2013年11月03日
変針点の記入
このページは, 「自船の位置を求める④」 から話が続いています。初めてご覧になる方は, 「海図のメインメニュー」 の一番上の項目からご覧になると良いでしょう。
海図を使って計画的な航海をするときは,進んでいく方位や周囲の目標物をしっかりと把握しながら目標地点を目指すようです。
私は免許&船検不要のミニボートしか操船した事がありませんが,いつかこんな知識を使う航海をやってみたいもんです(笑)。
例えば,こんな感じで移動したとしましょう。
コンパス図で方位を決めて直線移動し,目標物を目安にして方位を変える。
方位を変える事を「変針する」,方位を変える場所の事を「変針点」などといいます。
このように「直線移動」と「目標物で変針」を繰り返して移動するために,出航前に海図に記入していく作業を「チャートワーク」といい,チャートワークを行って航海計画を立ててから出船するのが理想のようです。
変針する時は,目標物が「自船の真横に見える地点」を目安にすると分かりやすく,航海計画も立てやすいです。
なので1級小型船舶免許の海図を解く問題でも,「○○灯台を右舷正横に見る地点で変針」などと書かれる事が多いです。
それでは,例題を使ってやってみましょう。
- 練習問題 04 -
次のような航海計画を海図上に記入し,全航程を求めましょう。
出発点:A
松島灯台を340°,兎島灯台を220°に見る地点から磁針路50°で航行
変針点:B
桂島灯台を右舷正横に見る地点で,磁針路70°に変針
変針点:C
B灯台を左舷正横に見る地点で,磁針路130°に変針
到着点:D
田代島西方灯台を左舷正横に見る地点
問題文が長いので,分割して話をすすめていきます。
まずは,問題文最初の
出発点:A
松島灯台を340°,兎島灯台を220°に見る地点から磁針路50°で航行
から記入していきます。自船の位置を特定する② でやった作業と同じですね。
作業に慣れてきたら,最初に完成図を頭の中にイメージしてから作業します。イメージした完成予定図は,こんな感じ。
まず,定規(青)を「340°」と,正反対の「160°」に合わせます。
移動したときに定規が海図から大きくはみ出してしまうと,定規で海図を押さえるのが弱くなり海図がズレやすくなってしまいます。
なので,なるべく海図を押さえやすい向きに定規を置くといいでしょう。
定規(赤)を,このように当てて・・・。
定規(青)を,「松島灯台」の☆マークを貫通する線が引ける位置へと移動します。
「松島灯台」の☆マーク中心部を貫通するように,線を引きます。
次に, 問題が
出発点:A
松島灯台を340°,兎島灯台を220°に見る地点から磁針路50°で航行
なので,このように定規(青)を合わせて・・・。
「 兎島灯台」を目指します。
定規(赤)を合わせて・・・。
定規(青)をずらしていきます。
縦方向の移動と横方向の移動。UFOキャッチャーの動きと同じようなもんです。
定規(青)がまっすぐ移動できるように,定規(赤)でサポートするだけ。
「兎島灯台」に到着しましたね。
「兎島灯台」の☆マークを貫通しつつ,さっき引いた「松島灯台」の線とクロスするように線を引きます。
交点に○をつけて,「出発点A」と記入しましょう。また,線の方位も数値を書いておくといいかもしれませんね。
慣れるまではこのように情報を多く書いておいた方が,作業に間違いがあったときに原因を特定しやすいと思います。
出発点が特定できたので,次の作業に移ります。問題文が
松島灯台を340°,兎島灯台を220°に見る地点から磁針路50°で航行
変針点:B
桂島灯台を右舷正横に見る地点で,磁針路70°に変針
なので,出発点から50°の方位に線を引きたいです。
定規(青)を,50°と 230°に合うように当てて・・・。
「出発点A」を目指してスライドさせていきます。
定規(赤)をこのように当てて・・・。
定規(青)を,「出発点A」に向けてスライドさせます。
次に定規(赤)を,このようにセットして・・・。
定規(青)をスライドして,「出発点A」に合わせます。
そして出発点から磁針路50°に進んでいくので線を引いていくのですが,問題文が
松島灯台を340°,兎島灯台を220°に見る地点から磁針路50°で航行
変針点:B
桂島灯台を右舷正横に見る地点で,磁針路70°に変針
となっており,磁針路 50°で進んでいくのは「桂島灯台を右舷正横に見る地点」までとなります。
なので,ここからは変針する場所を意識しながら作業を行っていきます。
まずは,50°の線を引きます。桂島灯台を正横に見る地点より,少し長めに引きます。
線を引いているときは定規(青)をしっかり押さえていますよね。
線を引き終わっても,定規(青)をしっかり押さえたままにしておきます。
定規(赤)を当てて定規(青)を少しずらし,定規(青)と50°の線との間に,すき間を作ります。
こんな感じになりましたね。
きちんと作業をしていれば,定規(青)と 50°の線は,平行になっているはずです。
定規(赤)を,「桂島灯台」の☆マーク中心を貫通するように,このように当てます。
今まで定規(赤)は長い辺を使ってきましたが,ここでは直角の二等辺部分を利用していきます。
定規(赤)をしっかりと押さえて, 「桂島灯台」の☆マーク中心を貫通し,50°の線と交差するように線を引きます。
この線は50°の線に対して直角なので,2つの線の交点が「桂島灯台を右舷正横に見る地点」となります。
変針点を○で囲みます。50°の線に数値も書いておくと良いでしょう。