バッテリーにはボート釣りの時にボートを動かすエレキモータなどに使われるバッテリーと,車やバイクに使用されるバッテリーがあります。

どちらも12Vなので互換性があるように思われますが,内部構造が違っており,性能に大きな違いがあります。

自動車やバイクに使うバッテリー

一般に,「クランキングバッテリー」などと呼ばれているものです。

車やバイクの場合バッテリはエンジンを掛ける時に大きく電気を消費し,エンジンが掛かると発電機が動き出し,バッテリーに充電を行っています。

基本的に走行中に必要な電気は発電機によってまかなわれるため,走行中のバッテリーは,ほぼ満充電の状態を維持しています。

エレキモーターなどに使うバッテリー

「ディープサイクルバッテリー」と呼ばれるものです。

エレキモーターなどで使う場合,バッテリーは事前に充電器で満充電にしておきます。釣りをしている間はエレキモーターの操作をする度に電気を消費し,充電されることはありません。

要するに携帯電話の電池と同じで,満充電からラストまで(動かなくなるまで)電気を使う事がある,ということです。これは車やバイクのバッテリーと比べて,非常に過酷な使用環境といえるのです。

ディープサイクルバッテリーの方が放電に強い

車のバッテリの場合は,そもそも「電気をラストまで使う」という事が想定されてません。ライトを消し忘れたりしない限り,そういった使い方をしないためです。

そのため,一定以上の電気を使用した状態でバッテリを放置すると,バッテリ内部に異常が起こり(サルフェーションという),充電しても元の状態に戻らなくなります。これは,新品のバッテリを購入した直後でも,使い方によっては起こりうる現象です。

クランキングバッテリーもディープサイクルバッテリーも基本的な内部構造は同じで,鉛の極板と希硫酸を使用して化学反応を起こし,充電・放電を行います。ただし,ディープサイクルの方は過酷な使用に耐えられるように特殊な加工が施されており,サルフェーションが起こりにくく設計されています。そのため,クランキングバッテリよりも重量も重く,金額も高い傾向にあります。

充電する時も,専用の充電器で行います。