警告!!このページはマニュアル等を参照した整備の模範的要領ではなく,自分の行った自己流整備の記録です。船外機の整備ミスは命に関わるという事を忘れずに,できるだけプロに任せる事を強くお勧めします!このサイトを参考にした結果による,いかなる事態にも責任は負えません!

ヤマハ4サイクル2馬力船外機(F2AMH)の燃料コックの位置

船外機を長期保管するときは燃料タンク&キャブレター内のガソリンは抜いた方がいい。 ガソリンがキャブレター内で劣化すると,キャブ内部の小さな通路に汚れが溜まってエンジン不調を起こすためだ。

特にキャブのオーバーホールを自分でやったりしない人は,こまめに実施しておきたい。

また,2サイクルエンジンはオイルを燃料に混合しているため,4サイクルより汚れやすいと思うので気を使った方がいいと思う。

定期的にキャブ内のガソリンを抜く事で,内部の汚れや水の混入なども早期発見できる場合もある。

また,海上でキャブのトラブルが発生した場合もガソリンを抜いて応急処置ができる場合もあるため,覚えておいて損はない。

っていうか,船外機を保守管理するうえでは基本整備といったところだろう。取説にも載っている。

まずは燃料コック付近を見てみよう。

キャブレターのドレーンを開けるためのフタと,ドレーン開放時に燃料が出てくるホース

燃料コックはキャブレターに直接取付けされている。したがって,作業は燃料コック周辺に集中している。

どれがキャブか分からない場合は,燃料コックをたどっていけばいい。

キャブのドレーンボルトを回すには,燃料コックの横にある整備用のフタを外す。

燃料は,フタの真下付近にあるホースから出てくる。

アンダーカウルを外してキャブが見える状態にした

上の写真と同じようなアングルでカウルを外してみると,こんな感じだ。

アンダーカウルに付いているフタ(グロメット)を外してキャブレターのドレーンが見えるようにする

まずはグロメットを外す。

外れにくいときは,トップカウルを外して内側(キャブ側)から押してみるといい。

無理矢理取ろうとすると,ゴムが壊れる。

この穴から真上を見上げると,キャブレターのドレーンスクリュー(燃料を抜くためのボルト)が見える。

ちょっと覗いてみよう。

アンダーカウルからキャブレターのドレーンを見上げる

見えた。

プラスのネジだ。

サイズを間違えないように注意。

ドレーンを開けた時にガソリンが出てくるホースを確認しておく

次は燃料が出てくる場所を確認。

燃料コックの下の方に,このようなホースが出ているはずだ。

ここのカウルを脱着した事がある場合,組み付け時にホースを通し忘れる事がある。

その場合は,カウル内にあるはずだ。

ドレーンを緩めて,出てきたガソリンを受ける

それでは抜いてみよう。

まずは燃料コックをOFFにして,タンクの燃料がキャブへ落ちないようにする。写真はコックがONになっているが,気にしないでください。

ガソリンが出てくるホースの下に受け皿を準備してから,ドレーンポルトを緩める。

あまりキャブの手入れをしていない場合は,この通路が詰まっていてガソリンが出にくい場合がある。通常は2~3回転程度で出てくると思うが,出ないからといって回しすぎるとボルトが外れてしまうので注意!

外してしまうとボルト穴からガソリンが大量に出てきて制御不能になる。また,ボルトの取り付けが地獄になるので注意。

出てくるガソリンはきれいな容器で取る。今回は,白い紙コップを使ってみた。

こうすることで,内部の状況が把握しやすくなる。

キャブレターから出てきたガソリン

これは実際にキャブから抜いたガソリンだ。

細かいゴミのようなものがある・・・。

キャブオーバーホールして,まだ4回しか乗ってないんだけど・・・。

タンクキャップも新品だし・・・。

ガソリンに水が混入した場合

キャブ内に水が入っている場合は,こんな感じになる。

今回は,コップの中に故意に入れてみた。

ガソリンは水より比重が軽いため,混入した水は下に溜まる。

キャブ内でも同様にフロート室の底に水が溜まるため,ドレーンを開けると比較的簡単に出てくる。ただし,完全に抜くにはキャブの分解が必要だと思う。

きれいな容器に取ると,このようにゴミや水の混入が分かりやすい。

ガソリン内の水を動かしてみた

ちょっと遊んでみた。

紙コップ内で混入した水を動かすと、なんとゴミを吸着しながらボールのように転がった。

コップ内のゴミは,ほとんど水にくっついてしまった。

ガソリン内の水を取り出してみる

この水だけを取り出すのに挑戦!

ガソリンより重いから,粘り強くコップ内に残っている。

ガソリンが無くなって水だけになった

ガソリンはほとんどなくなり,水だけになった。

意味不明だが,なんか達成感のようなものを感じる・・・・。

こんな感じで,長期保存の時だけでなく定期的にキャブ内のガソリンを抜いてチェックしておくと安心だろう。

キャブのドレーンボルトの締めすぎだけ注意だ。キャブはアルミ製,ドレーンボルトは恐らく真鍮製なので,両方とも柔らかい金属であるため,締めすぎると簡単に壊れてしまうだろう。

締め加減に自信がない人は運転中に緩んだりすると危険なためプロに任せた方が確実だが,これ位は自分でできるように,誰かに教わりながら訓練した方がいいと思う。 覚えれば,トラブル防止に役立つはずだ。

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