製作開始日:2012年4月16日

ここでは,私が今までボート釣りをやってきた経験を基に,ミニボート釣りの良いところと悪いところをまとめてみる。

これは「私が感じた事,思う事」であり,全ての人にあてはまるとは限らない。

良いところ

陸の移動が大変な場所でも,ボートなら楽勝

例えば野池やダムでのバス釣りは山に囲まれている場所だったりするので,歩いて移動するのは大変だ。

移動が面倒 → 同じ場所で投げ続ける → 釣れない → つまらない みたいな感じになりやすいと思うが,ボートなら行きたい場所へ一直線に行ける。

私が良くやっているロックフィッシュも足場が悪い場所に魚がいる事が多く,移動が大変な事が多いのだが, ボートなら動力を搭載していれば体力を消耗せず移動する事が可能。

ちなみに,陸での移動が難しい場所を無理やり行った事で3m位の高さの崖から豪快に落水してしまった人を,過去に見た事がある(野池)。浅場だったので事故には至らなかったが,落ちる場所が悪くライフジャケット未着用だと,場合によっては死んでしまう。

オカッパリのバス釣りでライフジャケットなんて使わない人がほとんどだと思うので,十分気を付けて楽しみましょう。

オカッパリでは攻められないストラクチャーも楽勝で攻められる

陸から釣りをしていると(特にバスやロックフィッシュなどで),「あそこにキャストできたら釣れそうだなぁ~」みたいな事が頻繁にあると思う。 ボート釣りの場合はそんな場所にもキャストできるので,楽しいし釣れる確率も当然高い。

無理して遠投する事も少ないので,根掛かりも減少する。

オカッパリが入れない場所はプレッシャーが低くて釣れやすい事が多い

魚も命がけで身を守っているので,人の気配が少ない場所を好んでいると思う。

そういった場所は魚の数も多く大型の魚も潜んでいると思うので,行く事ができれば当然釣果が伸びやすい。

手漕ぎでバス釣りをやっていた時,人気のない場所へオールを漕いで静かに接近する時はワクワクしたものだ・・・。

魚群探知機を使う事ができる

ミニボート&魚群探知機を使う事で,今まで出会う事のなかった魚と出会える確率が,確実に高くなる。

魚群探知機は魚が見えるようになるだけでなく,地形も分かるようになる。狙う場所や魚種にもよると思うが魚探があるのとないのとでは,楽しさが全然違うと思う。

ルアーが木などに引っかかっても,回収できる事が多い

ボートでバス釣りをやっていた時は,私はハードルアーを使う割合が非常に多かった。オカッパリと比べるとポイントの移動がどんどんできるので,テンポ良くキャストして行った方が釣果が伸びる事が多く,ソフトルアーでじっくり攻めるよりも楽しくて,効率が良いと感じる事が多かった。

ハードルアーはソフトルアーと比べると値段が高い物が多く,トレブルフックが付いているという事もあるので,オカッパリでストラクチャーを攻める時は高いキャスト精度が必要だ。根掛かりのリスクがあるため勇気がいる(私の場合)のだが,ボートの場合は引っかかっても簡単に回収できる事が非常に多い。

具体的にいうと,シーズン中に毎週のようにボート釣りをして,ハードルアーだけで釣ったとしても,1年間でロストするのは限りなくゼロに近かった。さらに言うと,ボートで移動しているとオカッパリの人が引っ掛けて回収できないルアーを良く見かけるので,釣り場を綺麗にしながらルアーが増える事もあり(笑),水中に引っかかっているルアーを見つける事もあった。

ルアーが引っかかった場合に回収しやすいという事は,ロストを気にせず攻める事ができるというメリットになり,水中に根掛かりした時も,ボートを移動して引っ張る向きを変える事により,外しやすくなる事が結構ある。

ちなみに,オカッパリのバス釣りをしている人がルアーを木などに引っ掛けてしまい,外そうとして水面近くで落水してもおかしくないような体勢になっているのを見かけた事が何度かあるが,あれは非常に危険だと思う。気持ちは非常に分かるんだけどね。たぶん私もやってしまうと思う(笑)。

小さい子供でも,場合によっては安全

これは「場合によっては」だが,防波堤のような高い場所や,テトラや磯など足場が不安定な場所での釣りよりも,ボートの方が安全だと思う事がある。

子供の性格によりますね。ウチの息子は注意力が足りないので,漁港や防波堤では,まだ転落しやすいと思う。 ボートなら親の目の前なので安心。でも,親のいうことを聞かない子供は危険度が増えるかも(笑)。

悪いところ

もし転覆したりトラブルが発生したら,命が危ない

これが一番重要。ボート釣りは,自分と同乗者の命が掛かっている。十分気をつけて楽しんで欲しい。

ボート釣りをするなら,必ずライフジャケットを着用してください。

「ライフジャケットがあれば確実に助かる」という訳でもないので,くれぐれも無理をしないようにしよう。

釣りが始まるまでが長い

出船して釣りを開始するまでの時間が長く,ここでテンションが下がる人も結構いると思う。

特にゴムボートの場合は,空気を入れて組み立てるのに結構な時間と労力が必要。準備も片付けも,1人でやると30分以上はかかる。

出船場所が限られる

バス釣りは非常に楽しいが,外来魚問題で肩身が狭くなってきているのも事実。釣りに関する規制も厳しくなってきているので,出船場所が非常に少なくなってきていると思う。

海釣りの場合は漁港のスロープや砂浜からの出船が多いと思うが,漁港の場合は漁師さんとのトラブルにならないように注意したい。

ボート釣りをやった事が無い人にとっては,出船場所が分からないというのは非常に難しい問題だと思う。

片付けや保管,メンテナンスが大変

ボート釣りはどうしても道具が多くなってしまう。

バス釣りだと淡水だから片付けはテキトーでも何とかなるのだが,海釣りの場合はそうはいかない。 釣りが終わったら,ボートや船外機などの水洗い,アンカーや魚探の片付けなど,片付ける物は非常に多い。1人で片付けすると地獄なので,誰かを誘って2人で釣りをして,2人で片付けするといいだろう。

ちなみに,私は息子と乗るようになってからは,いつも1人で片付けだ・・・。

あとは道具が多くて大きい物もあるので,保管スペースの確保も必要だ。

アパート暮らしなんかだと,スペース確保に工夫が必要。貸し倉庫などを利用すれば良いと思うが,お金が掛かる。

また,長く使っているとボートに穴が開いたり船外機が故障したりする事もあるので,定期的なメンテナンスも必要。

ミニボート釣りを辞める人の多くが,これが原因なのではないかと思う。

風が吹いたら釣りにならない事が多い

特にゴムボートは風の影響を大きく受けるので,流されやすい。流されながらボートが回転したりして,釣り難くなる。

釣りにならないだけならいいが,場合によっては帰れなくなったり根に乗り上げたりしてしまうので,風には要注意だ。

アンカーを下ろせば,ある程度の風なら対応できる。

デカい魚が掛かると,釣りにくい時がある

例えば手漕ぎボートのバス釣りなんかだと,大型のバスが掛かった時にオールの操作ができず,ボートが引っ張られてストラクチャーに潜られやすい。

ロックフィッシュでは,大きい魚にボートが引っ張られるとボートが岩に乗り上げてしまう場合などが想定されるので,命に関わる場合がある。

フットコンエレキなどを使っていればランディング中のボートコントロールも可能だと思うが,ボートをうまくコントロールできない場合は,諦めてラインを出した方が安全な時もあるだろう。

ミニボートのランディングが不利みたいな書き方になってしまったが,オカッパリの場合は深い所で掛けて浅い方に寄せるので,デカい魚が掛かった時が難しいのは,あまり変わらない思う。

例えば磯での取り込みなんかだと,場所を選ばないと難しいですよね。ボートなら取り込みは楽勝。

お金が掛かる

ボートや船外機などは高価であるため,初期投資が大きい。

ただ,遊漁船に頻繁に乗る人や,オカッパリのバス釣りで高価なハードルアーをガンガン無くす人は,年間の費用を比べると,どちらが安いかは微妙だと思う。

もったいないという理由でハードルアーを投げない人は,ボートを買うと釣りスタイルが大きく変わるのは確実だと思う。

遊漁船については,値段は高いけどミニボートでは行けないようなポイントまで連れて行ってくれて,大漁も期待できる。ミニボートより片付けも確実に楽だし,これはこれで捨て難い。

どちらもできれば最高だと思う。

結 論

結局のところ私の場合は,「準備や片付けが大変でお金もそれなりに掛かるけど,魚は良く釣れるし大型の魚も釣れやすくなったし,ボートに乗るのも楽しくて,やめられない趣味」みたいな感じ。

陸から釣っていた時代は40cm超のアイナメなんてなかなか釣れなかったが(っていうか,たぶん1度も釣った事がない),ボートに乗ってからは,平均化すると1釣行に1匹以上は釣れていると思う(子供と行かない場合)。

バスの場合は,数多くのストラクチャーをハードルアーでガンガン攻められるようになるところが最大のメリットだと思う。私は,ボートに乗ってからバス釣りが劇的に楽しくなった。

転覆のリスクや費用などデメリットも多い遊びだが,機会があったらやってみてほしい。